こんな青空とまだ残るイチョウの紅葉に誘われて、科学博物館の「ラスコー展」を覗いてきました。
紅葉をバックに、シロナガスクジラのモニュメントが印象的で思わず撮ってしまいました。というわけで、ラスコー展です。フランスのラスコー洞窟で発見された壁画、2万年前にヨーロッパに住んでいたクロマニヨン人によるものです。中学の歴史の時間で学びましたね。その洞窟壁画が、再現されています。それだけでも、中々印象的です。
真ん中の黒い牝牛とウマの列です。ラスコー洞窟壁画を代表する絵で、線刻と彩色で描かれています。その線刻だけを浮かび上がらせたのが次の写真です。
その他にも、泳ぐ鹿の群れや、バイソンなど、芸術が生れたばかりの瑞々しさを感じさせる壁画です。
このクロマニヨン人は、現生人類とほぼ同じ遺伝子情報を持つ「ホモ・サピエンス」ですが、僕らが中学で習った頃は、「新人」と教わりました。ヨーロッパには「旧人」、すなわちネアンデルタール人という先住人類がいましたね。僕らの習った想像図では、サルに近い原始人といったものでした。が、最近の研究ではどうもそうではないらしいと言われています。「新人」「旧人」とも言わないらしい。ネアンデルタール人も高度な頭脳を持っていたと言われています。ネアンデルタール人とクロマニヨン人は、何万年かは混在していて、現代人にもネアンデルタール人の遺伝子情報が2パーセント以上残っているらしい。欧米人の、白い肌、青い目、金髪などの特徴は実はネアンデルタール人から獲得した特質ではないかとも言われているらしい。 こうしてみると、人類は他の種族との混血によって多様性を獲得して発展してきたと言えるのではありませんか。純血性を求めることよりも、多様性の中に僕らの進歩はあるのかもしれません。最後に、泳ぐ鹿の群れの壁画をごらんください。素朴ですが、力強い線で鹿の息遣いが伝わってくるようです。